投資商品を選ぶ3つ目の基準

投資手法
インパクト投資 ESG投資

その投資はあなた以外の誰を幸せにできるか

投資といえばリスクとリターンであり、そのバランスをシャープレシオで測る、そんな時代が長く続きました。しかし近年、異なるベクトルで投資を捉える風潮が誕生しています。SRI(社会的責任投資)、CSR(企業の社会的責任)、さらにはESG(環境・社会・ガバナンス)といった概念が広まり、これが新しい投資のスタンダードになりつつあります。日本において、これらは2000年代頃から注目され始め、特に2015年に国連がSDGsを採択してからはその重要性が一段と高まりました。

例えば、「安全な水とトイレを世界中に」に関連する企業に投資することで、その企業の活動が水資源の保護に貢献する場合があります。これが社会に与える「インパクト」です。日本では2016年にSDGs実施指針が決定され、国や企業やNPO団体など多様な主体がSDGsの達成に取り組んでいます。

こうして、投資家自身もSDGsを意識する傾向が出始めています。SDGsで定められた17のゴールと169のターゲットのいずれに貢献できているのかを多くの投資家が気にするようになれば、金融商品の存在価値を測るモノサシが変わり、社会貢献という軸で投資の意思決定がなされ、社会変革が加速する可能性があります。

社会に良いことは、投資に良いこと?

社会に良い影響を与える企業は、長期的に成功する可能性が高いといわれます。2000年代に入ってからの、新しい投資の信条です。SRI(社会的責任投資)が注目され、CSR(企業の社会的責任)の評価が企業価値に直結すると考えられるようになりました。社会的責任を果たす企業の信頼は高まります。それによってブランド力も上がります。企業価値の上昇は、株式価値の上昇による投資成果の期待につながります。また、企業が長期的に成長を持続するためには、ESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮が必要であると言われており、ゆえに、ESGを実践する企業への投資は、リスクも軽減され、リターンは増大するとイメージされています。

一方で、ESGを謳っていれば投資家の関心を惹けるとばかりに、見せかけのESGファンドが横行するなど社会問題化しています。これをESGウォッシュと呼び、世界中が対策に取り組み始めています。日本の金融庁も2023年に「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」を一部改正し、

  • ESG投信に該当しない公募投資信託の名称又は愛称に、ESG、SDGs、グリーン、脱炭素、インパクト、サステナブルなど、ESGに関連する用語を使用してはならない。
  • 持続可能な社会の構築に向けて、環境や社会のインパクト創出を目的としているESG投信について、その目的、インパクトの内容、及び目標とする指標・数値、方法論などインパクトの評価・達成方法を目論見書に記すこと。

などの留意事項が追加されました。ESGの重要度が高いからこその措置であったといえます。

  • CSR

    CSR(企業の社会的責任)

    Corporate Social Responsibility

  • SRI

    SRI(社会的責任投資)

    Socially Responsible Investment

  • ESG

    環境・社会・ガバナンス

    Environment / Social / Governance

  • インパクト

    社会課題解決と経済的利益の両立

    Impact Investing

インパクト志向金融宣言

Hash DasHは、2023年10月1日にデジタル証券の専業金融機関として初めて、「インパクト志向金融宣言」に署名しました。投資家の皆さまの目線が、環境保護や社会課題解決に向けられるなか、価値ある資産やプラスの社会的インパクトをもたらす事業を、デジタル証券化してお届けすることを目指します。